指先の羅針盤 -wonder in the silence-

暗室の中で印画紙から浮かび上がる写像と向き合っているうち、かつて親達が聞こえない私に、指さしながら言葉を繰り返し教えていた日々が蘇ってきた。

もしかしたら、言葉が身に染み込んでくる前に私がみえていたものを、息子もまた感じているのかもしれない。

While I was confronting the images that emerged from the photographic paper in the darkroom, it reminded me of the days when my parents used to teach me individual words by pointing at each object because I could not hear well.

My son might be feeling the same thing — as when I saw things directly, before language had permeated me.

***

千葉桜は幼い頃の病気が原因で聴覚の大部分を失い、両親の熱意のもと徐々に言葉を習得してきた。
そして彼の息子は重度の自閉症で、今まさにゆっくりと言葉を獲得している最中だ。

そんな息子の姿や、家族で一緒に旅に出た先での光景を丁寧に捉えた作品を一冊にまとめた。障害を声高に訴えるのでなく、ただ家族が共に日々を連ねてゆく美しさを、この作品群は湛えている。

「指先の羅針盤」というタイトルには、千葉桜の息子がカクカクと動かす指先についてゆく、寄り添ってゆく、そんな両親の心根があらわれている。

著者  千葉桜 洋
編集  森下 大輔
デザイン 庄司 誠(ebitai design)
2018年5月15日発行
並製本・雁垂れ表紙
サイズ 260mm×210mm 96P
ダブルトーン
作品掲載数 51点
価格 ¥2800+税
ISBN 978-4-9909567-1-4

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