「他者、その顔、石の冷たさ、葉の擦れる音、言葉、畏れ。すべてがつながりあい、私たちはそこで踊っている。 何かを諦めたような優しい表情を浮かべながら。」– 森下大輔 “Dance with Blanks” (p.96)
2005年のデビュー以来、一貫して写真の純粋性を追求している森下大輔。
近年その意識にのぼってきたのは、空白でした。
ここでいう空白とは、空虚なものということではなく、
現実と混じり合う可能性を孕んだ「依り代」のようなものです。
写真は、現実の記録や再現を行うだけではありません。
その矩形の空白に未知のものを呼び込む働きこそが、写真の持つ最も純粋な機能なのです。
それに成功した時、身辺に溢れているごくありふれた被写体は抽象性を帯び、「新しい現実」とでもいうべき世界が広がり始めます。
著者: 森下大輔
デザイン: 庄司誠 ebitai design
言語: 日本語/英語
サイズ: 304×243mm
ページ数: 96
掲載作品数: モノクロ45点
製本: 上製本/函入
初版: 300部
価格: ¥6000
2019年11月10日発行
ISBN 978-4-9909567-4-5