森下大輔によって2017年に設立されたasterisk booksは、現代写真を取り扱うフォトブックレーベルです。写真の機能をできるだけシンプルに活用し、その可能性を探る「純粋写真」をテーマに、写真集の出版、展覧会の企画、レクチャーの開催などを行っています。
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Asteriskはラテン語の「星」を語源として持つ記号で、書物の中において注釈や引用を示す。また単純に文章の区切りとして用いられたり、情報処理の分野においてはワイルドカードとして活躍する。
写真は、現実に存在するものを画像に置き換える、引用の技法であり、それと同時に既製の認識に先んずることのできる手法である。
人は”ここ”がどうなっているかをはっきり認識しているわけではない。ただ”そこ”にあるであろう新しさや可能性を感じ取りながら日々歩み、手を動かし、創造する。そして創造の際に何より助けとなるのが、可能性を孕んだ空白だ。
花でも石でも星でもあり、それと同時に私でありあなたであり誰かである「何か」を表す可能性そのもの。そのように写真を機能させることを我々は標榜している。
森下大輔